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相続コンサル事例(未支給の国民年金に係る相続税の課税関係)

相続コンサル事例(未支給の国民年金に係る相続税の課税関係)

2019/09/20

相続コンサル事例(未支給の国民年金に係る相続税の課税関係)

皆さんこんにちは、相続コンサルの脇坂です。今回は「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」についてお話します。

相続コンサル事例(未支給の国民年金に係る相続税の課税関係)

未支給の国民年金に係る相続税の課税関係

【照会要旨】

 老齢基礎年金(国民年金)の給付の受給権者が死亡した場合に、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給されていない年金がある場合には、その者の配偶者(内縁の配偶者を含む。)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものが、「自己の名」で、その未支給の年金の支給を請求することができることとされています(国民年金法191)。
 老齢基礎年金の受給権者の相続開始時に当該死亡した受給権者に係る未支給年金がある場合に、当該死亡した受給権者に係る当該未支給年金を配偶者等が請求することができる権利(以下「未支給年金請求権」といいます。)は相続税の課税対象となる財産に含まれますか。

【回答要旨】

 未支給年金請求権については、当該死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはなりません。
 なお、遺族が支給を受けた当該未支給の年金は、当該遺族の一時所得に該当します。

(理由)

  • 1 国民年金法に基づく未支給年金請求権の相続性については、最高裁判決(平成7年11月7日)において、その相続性を否定しています。
     すなわち、国民年金法第19条の規定については、同条が未支給年金の支給請求することのできる者の範囲及び順位について民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは異なった定め方をしており、これは民法の相続とは別の被保険者の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とした立場から未支給の年金給付の支給を一定の遺族に対して認めたものと解されているものです。
     したがって、未支給年金請求権を本来の相続財産として相続税の課税対象となると解することはできません。
  •  
  • 2 また、未支給年金請求権は、国民年金法の規定に基づき一方的に付与されるものであることから契約に基づかない権利(請求権)でありますが、相続税法第3条第1項第6号に規定する「これに係る一時金」には、継続受取人が受給を受けるべき「定期金が特別に又は選択的に一時金とされる場合の一時金のみが含まれる」こととされている趣旨からすると、照会の場合の未支給年金については、定期金ではなく最初から一時金のみを支給するものであるため、同号に規定するみなし相続財産にも該当しません。
  •  
  • 3 以上のことから、未支給年金請求権については、死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはなりません。
    なお、遺族が支給を受けた当該未支給の年金は、所得税基本通達34-2により、当該遺族の一時所得に該当します。

【関係法令通達】

 相続税法第3条第1項第6号
 所得税基本通達34-2
 国民年金法第16条、第18条、第19条

相続コンサル事例(未支給の国民年金に係る相続税の課税関係)

未収年金は同一生計の遺族が請求して受け取ることができます。遺族が受け取った未収年金は、死亡した年金受給者の財産として相続税の対象になるように思われます。しかし、公的年金の未収分は受け取った遺族のものとなり、相続の対象にはなりません。ゆえに相続税の課税対象にもなりません。

公的年金は受給者と家族の生活を保障するために支給されるものであり、受給者が死亡した場合は遺族の生活を保障するために支給されます。こうした趣旨から、未収年金は相続および相続税の対象にはなっていません。

遺族が受け取った未収年金は、遺族の一時所得として所得税の課税対象になります。ただし一時所得には50万円の特別控除があるため、未収年金だけで課税されることはまず無いと思います。

公的年金は、受給者が死亡したことを遺族が届け出れば支給が停止されます。しかし、死亡日から支給日までの期間が短い場合や遺族が手続きを忘れていた場合は、死亡した人の口座に年金が振り込まれます。このときの年金も、死亡時点では受け取っていなかったため未収年金となります。

死亡後に振り込まれた公的年金も遺族のものであり、相続税の課税対象にはなりません。死亡した人の口座に振り込まれるため課税対象になるように思われますが、先ほど説明したケースと考え方は同じです。

なお、遺族が手続きをせずに死亡の翌月分以降の年金を受け取った場合は、返還を求められることがあります。相続があった場合は年金関係の手続きも速やかに済ませましょう。

サンワコーポレーション株式会社の脇坂亮作

 

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